全国学生書き初め展覧会
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審査委員長 一般社団法人 全国書写書道教育振興会会長
講評 蜑コ 昭夫先生
 
全国学生書き初め展覧会に寄せて
 
 昨年の東日本大震災は、地震や津波のこわさを日本中の人々に痛感させ、「がんばろう日本」を合言葉に、日本中の人々が災害の悲しみから力強く立ちあがろうとしています。今年の書き初めでは、特に、こうした決意や未来への夢や希望が強くこめられていたことと思います。年の始めに、こうした自分の気持ちをこめ、心を集中してていねいに書写するということは、実力を向上させるまたとないよい機会です。

 今年も幼児のみなさんの出品が目立ちました。特に毛筆の部では、筆づかいにもなれ、線質がきれいで、りっぱな作品に仕上っていました。幼児のころから小学校低学年の時代は、書写力がもっとも向上する大事な時です。この時代にしっかり練習をしておくと、その力は一生生きつづけます。

 小さい時から練習を重ね、毎年出品しつづけている人の作品が上位の賞に多く見られるのは、このことをよく物語っています。しかしまた、新しい人の名前を上位の賞に発見した時の喜びは格別です。書を愛する人々がふえ、書く文字に関心が高まっていくことは、日本人の心を豊かにします。書き初め展覧会がみなさんのご協力によりますます充実発展し、みなさんの実力向上の目標となり、書く喜びになれるようにしたいと願っております。
 
 
一般社団法人 全国書写書道教育振興会顧問
元文部省初中局主任視学官・元東京家政学院 大学教授
講評 渡辺富美雄先生
 
学習や日常生活を視野に
 
 全国学生書き初め展覧会も第27回を迎え、出品して下さる皆さんの「文字を丁寧に正しく書く」ことを大切にする心がよく表現されていました。

 書き初めは、日本古来からの正月行事の一つとして行われてきました。「筆始め」に当たり、今年の自分の目標や夢や希望を書いたものです。皆さんの書いて下さった文字から今年も努力する心のうちが伝わってきました。毛筆は練習を重ねて、文字の字形や意味が身に付かないと、学習や生活に役立ちませんね。

 日本の文字は、漢字と仮名の文字を使っていますが、文字には、字形の大小があり、点画の長短があって、漢字と仮名交じりの文になるので、文字と文字との調和が大切ですね。文字が大きくなればなるほど目立ってきます。全体の美しさは、こうしたまとまりや文字の配列などが大切です。

 本年四月から、中学校の新学習指導要領が実施されます。

 中学校では、小学校での学習を基礎に、文字が速く書ける行書体を学ぶことになります。行書体は、点画の連続が加わるので、字形はもとより、点画の長短、方向、交わり方や接し方、文字の配列など、全体構成の調和が大切になります。特に、筆圧による筆使い、線の強弱、緩急、筆脈など楷書とは異なる文字の美しさがあると思います。来年もまたよい作品を出品して下さい。